友との別れ
4月下旬、女性セブンの現役編集長が41歳の若さで急逝した。突然の訃報に、沖田臥竜も深い衝撃を受ける。友として、仕事仲間として長年支え合ってきたその存在を悼みつつ、葬儀に駆けつけ、自身の過去と現在、そして生き方そのものを見つめ直すのだった。今、物書きとして、そして一人の人間として語る「死」と「働くこと」への思いとは――。
沖田臥竜
2025.05.13
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どっと疲れが出たのか熱が出てきた。ただ、まだ倒れて休む暇はない。書籍も現在、3冊抱えており、マンガの連載も新作を合わせると3冊。その内、1作品は原作だけでなく、最終回までの100ページ、絵も担当することになった。他に連載が6本あり、それに会社の仕事も抱えている。ただそれが辛いなんてことは一切ない。働ける内、仕事がある内に仕事しておきたいと考えている。それがより一層、自分の中で強くなったのは、友の突然の他界だった。
私は生に対して執着はなかった。人並みに死にたいなんてことはなかったが、いつ死んだとしても良いくらいに考えていた。だが、私は志半ばで他界した友の死に、生きられるだけ生き抜いて、もっと仕事をして作品を残そうと誓った。それが友に対するせめてもの供養になると思ったからだ。
友の葬儀は、ゴールデンウィークの真っ只中の5月4日に執り行われた。その日、私は自ら車を運転し、電車に乗り、人混みでごった返した新幹線に乗り、タクシーに至っては、1日で4回乗ることになった。ホテルのトイレで喪服を着替えた。
友は全力でこの世界を駆け抜けていった。私も全力で駆け抜けていきたいと思う。