踊るマスメディア、騒ぐネット民――今度のロックオンは「とんねるず・石橋貴明さん」という残酷さに警鐘を

テレビの黄金期を彩ったとんねるず・石橋貴明が、いまネットや週刊誌で再び注目の的となっている。だが、それは称賛ではなくバッシングだった。かつて多くの笑いと熱狂を届けたレジェンドたちが、時代の空気の中で断罪される――そんな風潮が当たり前になっていいのだろうか。メディアのあり方、そして、人間としての本当の“正義”について、改めて考えたい。
沖田臥竜 2025.04.10
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 我々、世代の小学校の夕暮れ時の鉄板は、ダウンタウンの『4時ですよーだ』(毎日放送)に始まり、とんねるずの『夕やけニャンニャン』だった。中学1年生のときに始まった『とんねるずのみなさんのおかげです』なんて食い入るように観ていた。

 今回改めて感じたのは、フジの日枝久さんや港浩一さんは、すごい番組を世の中に残し、多大な影響を観る側に与えてくれたということだ。

 『オレたちひょうきん族』や『ダウンタウンのごっつええ感じ』を観て、芸人を目指し、芸能界入りした芸能人が少なからずいるのは確かだ。今の時代と違い、番組の放送期間も長くはなかった。マンガだってそうだ。10巻続けばすごいと言われてた時代だ。

 アイドルの移り変わりだって早かった。光GENJIにおニャン子クラブ…あれだけ旋風を巻き起こし、熱狂させたグループの活動期間は、今と比較すると短い。それでも今も色褪せることなく、語られるのである。そんな多くの人気番組をフジテレビで作りあげてきた日枝久さんや港浩一さんは、純粋にすごくないか。

 時が流れて振り返ったとき、今、叩かれているテレビの全盛期を支えたテレビマンやタレントは、本当に世間から痛烈なバッシングを受けなければならなかったのだろうか? そのことを自信を持って断言することができるか? 私には現在においても、それができない。

 芸能活動を休止した石橋貴明さんことタカさんには、帝京魂で病を吹き飛ばし、早く芸能界に戻ってきて欲しい。それを週刊誌の記事で突如、手のひらをスパッと返せる薄情さ。おいおいおいおい……またか。真実かどうかも判断できないが、いつの話で盛り上がってるんだ。清々しいほどの単細胞である。

   なんだ今は掘り返し合戦でもやっているのか。教えておいてやるが、犯罪者のごとくバッシングされている人々の話は、誰ひとり刑事事件になっていないぞ。

  ジャーナリズムとかけ離れた、なんでもあり、言ったもん勝ちの日々が続いている。そのうち今から40年前のこととか言い出して、失笑させてくれるのではあるまいな……。

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続きは、3160文字あります。
  • 有名人をスケープゴートすることの意味 
  • 週刊誌の暗黙のルール

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